淺川都さんを偲んで

CIL・小平代表である淺川都さんが2月2日、法事のために帰郷していた埼玉県秩父市のご実家で、肺炎のためご家族や介助者に看取られながら急逝されました。

淺川さんとの出会いは、「家族介護の限界を感じ、自立したい」というご相談をいただいたことがきっかけでした。まず、花小金井の事務所に来ることができるかを尋ねると、「行くことができます」との返答があり、実際に事務所でお会いすることができました。初めてお会いした際に伺ったのですが、淺川さんはご実家のある秩父から電車を乗り継ぎ、一人で手動の車いすを使っていらっしゃいました。それが、車いす生活になって初めての単独外出だったそうです。駅から事務所までの道のりでは、点字ブロックを越えることができず、近くの通行人に助けてもらったと話してくださり、その強い意志と行動力に驚かされました。

その後、長期ILP(自立生活プログラム)や個別ILP、宿泊体験をスムーズに進め、私たちの運動にも共感してくださいました。そして、中野区での住まい探しを始め、区との24時間介助交渉にも取り組みました。交渉には時間がかかり、夜中の1時や2時まで役所にいたことも、今となっては懐かしい思い出です。

自立して少し落ち着いた頃、当事者職員として働くことになり、自立生活プログラムやピアカウンセリングを学びながら、自立支援の仕事にも携わるようになりました。また、初代代表の病気に伴い、次世代 を任せられる存在として育成されましたが、どんなに大変な状況でも弱音を吐かず、着実に自分のものにしていく姿が印象的でした。

竹島の定年に伴う代表交代の際は、不安なことも多かったと思いますが、最終的には、しっかりと役割を担い続けました。JILのユースパワーネットをはじめ、介助サービス委員会の仕事や、全脊連の役員など、精力的に活動していました。

また、プライベートでは、20年来大好きなアーティストを変わることなく応援し続ける、一途な一面もありました。

淺川さんがいつも口にしていたのは、「今、一番やりたいことは何か」と聞かれた際に、必ず「自立支援が一番やりたいこと」と答えていたことです。

その思いを大切に、これからも私たちは前を向いて歩んでいきたいと思います。

合掌

竹島 けい子